心臓リハビリテーション | あさぶハート・心リハクリニック

〒001-0037
札幌市北区北37条西3丁目3-12
地下鉄南北線 麻生駅徒歩3分(7番出口)

TEL011-792-0222

FAX011-792-0236

CARDIAC REHABILI
TATION

心臓リハビリテーション

一昔前は、心臓病のある人は安静第一で、運動は避けるべきだと考えられていました。
しかし、現在では適切な強さと時間で行えば、心臓病があっても運動した方が心臓や全身の機能が改善し、動脈硬化そのものを改善させ再発が
少ないことが明らかになりました。
また、運動療法だけを行うよりも、栄養・服薬・生活指導も併せて行った方が再発率や死亡率が低くなることが分かり、医師・薬剤師・管理
栄養士・理学療法士・健康運動指導士・看護師などの多職種が協力して患者さん一人一人に合わせた指導や治療を総合的に行う、包括的心臓リハビリテーションが主流となりました。

心臓リハビリテーションの
特徴

当院は外来での心臓リハビリテーションを主たる診療科目とした外来心リハを専門とする循環器内科クリニックです。
心リハを熟知した医師とスタッフが対応し、回復期から維持期にかけての心リハを実施します。

1

包括的なサポート

呼気ガス分析器付き心肺運動負荷検査でデータを取得し、医師の診断の元、
理学療法士、健康運動指導士が個々の運動能力に合わせた正確な運動療法を行います。
身体の深部体温を上げ、血流を改善することができる和温療法(遠赤外線温熱療法)を積極的に活用し、管理栄養士が普段の食事や必要な栄養素に関して指導も行います。
医師・薬剤師・管理栄養士・理学療法士・看護師などの多職種が連携し、運動療法と食事療法を含めた包括的なサポートを行います。

2

系列機関での連携で
トータルサポート

同ビル2Fの歯科(あさぶハート・デンタルクリニック)では、生活習慣病の元となる歯周病予防やクリーニング、高齢者で顕著な口腔機能の衰えへの対策を並行して行います。
歩いて3分の本院(あさぶハート・内科クリニック)とも連携し、内視鏡検査などの消化器疾患に対する定期検査も同時に可能です。
また、他院で心臓病の治療を受けた後にリハビリの継続をご希望される方は、当院で継続してリハビリを受けることができます。

心臓リハビリテーションの
効果

心臓リハビリ(心リハ)は、心臓だけでなく骨格筋や血管など多臓器に効果を及ぼし、入院や死亡のリスクを減らすことが多くの研究によって
証明されています。例えば、狭心症や心筋梗塞の患者さんが心リハを行うことで、行わない場合と比べて心血管病による死亡率が26%減少し、
入院リスクが18%低下します。心不全の患者さんを対象にしても心リハは死亡率を42%減少し、心不全による入院リスクを19%低下させます。
特に筋肉(骨格筋)は第二の心臓といわれるほど重要な臓器であり、心筋梗塞や心不全では筋肉の量や質、さらに代謝の変化が起こることを私達は分子レベルから明らかにしてきました。

さらに筋肉は、マイオカインと呼ばれる様々なホルモンを分泌し、他の臓器を調節していることが報告されました。そこで、私達はマイオカインの一つであるBDNFに着目し、心不全患者は血中のBDNF が低下し、その血中レベルは運動能力や心不全の予後・再入院などと密接に関連することを明らかにしました。この筋肉由来のBDNFは運動によって増加することから、心リハの有効性の一部は運動療法による筋肉量・質の改善とともに、BDNFの分泌増加が関与することを明らかにしました。
このように、心リハにおける運動療法一つをとっても、多面的な効果が分子レベルで明らかにされており、その効果は薬を飲むだけでは得られない大きなメリットをもたらします。

筋肉由来のマイオカイン(BDNF)が運動能力へもたらす効果、Circulation. 2018;138:2064-2066./ 北海道大学プレスリリース「心不全による運動能力低下の治療法を開発」から引用

日常生活で実感できる
心リハの効果

筋肉量の増加や運動能力向上により心臓への負担が減り、日常生活でも楽に動ける

心臓の働きが良くなる、心臓病の悪化による入院回数が減る

動脈硬化性やその原因となる危険因子(高血圧・糖尿病・脂質異常症)が改善する

血管が広がりやすくなり手足が暖かくなる

自律神経の働きが良くなり不整脈が予防される

不安やうつ状態が改善し快適な生活が送れる

対象となる方の例

内容は全て実際の症例ではなく、
仮想症例です。

心臓リハビリテーション

70代男性Aさんの場合

5年前に心筋梗塞を発症し、他院でカテーテル治療(ステント留置)を受けました。その後は1年に1回程度の定期検査で心臓は問題ないと言われていますが、高血圧と脂質異常症の薬を飲んでいます。ただ、最近は自宅で雪かきや買い物をするときに、息切れを感じるようになりました。
年齢のせいかなとも思っています。

運動療法のご提案

心筋梗塞になったのは5年前ですが、最近の症状は加齢に伴うものではなく、軽い心不全の兆候である可能性があります。維持期心リハは心臓病の再発予防や生活の質の改善、体力の向上、さらに高血圧、脂質異常症などの動脈硬化のリスク因子を改善させる効果があり、Aさんの場合は特に再発予防・症状の改善が期待されます。週1回(1時間、3単位)を上限に医療保険で行うことが可能です。

その後の経過

その後Aさんは当院を受診され、心肺運動負荷検査(CPX)を行い、最大酸素摂取量(最大持久力)が同年齢の60%と低下していました。毎週月曜日に週1回、 1時間の心リハ(自転車エルゴメーターを30分、筋トレ20分)を予定しました。費用の自己負担分は2割で1回につき1,200円です。
今後、月に1回、栄養士から食事指導を受け、看護師から服薬指導と心不全サインの見分け方や悪化した時の対処方法などを学びます。

心臓リハビリテーションの
流れ

1

電話かネットからご予約頂き、医療法人新楓和会ビル3Fのあさぶハート・心リハクリニックを受診して頂きます。

2

身長、体重、血圧測定、胸部レントゲン、心電図、血液・尿検査の後に医師が診察し、リハビリが可能な状態かメディカルチェックを行います。

3

事前に、患者さん毎に最適な運動強度を決定(運動処方)するために、心肺運動負荷検査を実施します。(検査時間 約30分)
※リハビリテーションは別日に行います。

4

5Fの心臓リハビリテーション室にて、血圧・脈拍・体重を測定し、
モニターを装着して運動前のストレッチを行います。 (約5分)
※心肺運動負荷検査とは別日で行います。

5

最初は軽い自転車こぎから開始し、徐々に負荷量(時速やペダルの重さ)を上げ、最終的には心肺運動負荷検査で決定した最適な運動強度まで負荷量を増やします。(約30分)

6

筋力トレーニング(自重やマシンなどを使い、上肢・下肢の筋力を
鍛えます)(約20分)

7

整理運動 (約5分)、運動後のメディカルチェック(血圧、脈拍、体調のチェック)のお手伝いをいたします。

設備紹介

心肺運動負荷検査
(呼気ガス分析)

心臓リハビリを安全かつ効果的に行うのに最適な運動負荷量を設定する上で必須の検査です。
心臓病患者さんへの運動療法は有酸素運動が基本になります。
有酸素運動から無酸素運動へと変わる境界を嫌気性代謝閾値(AT)と呼び、呼気ガス分析器装置を使用して求めます。
ATレベルを少し下回る強度で心臓リハビリを行うと安全かつ効果が高いことが証明されており、個々の患者さんに最適な運動強度でリハビリを実施することが推奨されています。

モニタリングシステム

心臓病の患者さんは運動中に不整脈や狭心症のサインを示すことが稀にあります。
運動療法中は常に心電図モニターを装着して頂き、専門スタッフの監視下で運動療法を実施します。

エルゴメーター(Senoh社製)

トレッドミル(Technogym社製)

和温療法
(遠赤外線温熱療法室)

和温療法は「和む・温もり」療法で、1989年に鄭 忠和先生らが開発・研究された遠赤外線温熱療法です。
15分の温浴と30分の保温により深部体温を1.0度程度上昇させることで、重症心不全の血行動態の改善や生活の質向上、抑うつの抑制など、多面的な効果が証明されています。
副作用が無く安心・安全な体に優しい療法です。心不全だけではなく、下肢閉塞性動脈硬化症、更年期症候群、慢性疲労症候群など多くの疾患で症状の改善が期待できます。

和温療法の流れ

1

和温療法室入室前の準備

脱衣して体重を測定後、和温療法専用の病衣に着替えます。血圧、心拍数 を測定します。

2

和温療法器へ入室

専用の和温療法器に入室し、全身を15分間温めます。和温療法器の室内は天井から足元までほぼ均等の60℃になるように設定されています。60℃・15分間の和温浴で深部体温は約1.0 ℃上昇します。

3

安静保温

15分間の和温浴後に、ベッドまたはリクライニング椅子であおむけになり、60℃の和温療法器内で温めた毛布で全身を覆い、30分間の安静保温をします。

4

水分補給・測定

30分間の安静保温後、脱衣して汗をよく拭きとり、体重を測定して発汗量を計算します。元の着衣に着替えてから発汗量に見合う水分を飲用(補給)します。血圧・心拍数を最後に測定し、体調を確認します。

心臓病の正しい知識を身につける

あさぶハート・心リハクリニックでは、心臓病の正しい知識や症状が悪化した時の対処法、心臓病の薬についての情報、
適切な栄養・運動の提案など、心臓病と向き合う上で役に立つ情報を学べる講座を2か月に1回、あさぶ地区会館で開催しています。ご興味のある方はどなたでも参加していただけます。
開催日の約1カ月前から外来などに案内ポスターを掲示していますので予約不要でどなたでも参加できます。
ぜひいらしてみてください。

011-792-0222

心臓リハビリテーションの
施設基準と適応

施設基準:
心大血管疾患リハビリテーション料Ⅰ

・狭心症、心筋梗塞、心臓手術後、大血管疾患(大動脈瘤・大動脈解離など)

・下肢閉塞性動脈硬化症(動脈硬化で下肢の血管が狭くなり、歩行時に痛みが出現する状態)

・心不全(次のA、B、Cのうち、少なくとも一つを満たす場合

A. 左室駆出率が40%以下(正常は55%以上)

B. 血中BNP濃 80pg/mL以上またはNT-proBNP 400 pg/mL以上

C. 最高酸素摂取量が同性同年齢の基準値に比べて80%以下

※心臓リハビリは通常1回60分(3単位)です。20分(1単位)は約2,000円になります。
よって、1回の心臓リハビリに対する自己負担額は、3割負担の方で約1800~2700円。1割負担の方で600~900円です。

診療時間

診療時間
9:00-12:00

9:0013:00

9:0013:00

14:00-18:00

※水曜日の午後、土曜日の午後、日曜日、祝日は休診です。

※受付は診察終了30分前までとなります。